
3月24、25日(土、日)はスウェーデンのイエテボリ大学(※@)のヤンリンデ名誉教授の特別講演会に出席させていただきました。(会場:中央区築地日野原ホール)
※画像はヤンリンデ名誉教授
歯周病(歯槽膿漏)に関する、現時点でおける世界のスタンダードな見解をまとめていただいた内容でした。
たまに「科学的根拠にもとづいた治療をおこなっています(※A)」など、聞くことがあるかも知れません。
簡単に言うと下記のようなことをベースとし、治療方法を決定するということです。
ただし、「その根拠が目の前の患者様にあてはまるケースかどうか?(※B)」の判断はドクターによって分かれることがあるので経験と実績が必要になります。
以下ダイジェストをまとめてみました。
@2018年に歯周病の分類が変わった(5→4つ)。
歯肉炎、歯周炎、歯周炎(全身疾患が関与するもの)、壊死性潰瘍性歯周炎、の4つ
A歯周炎の70%はゆっくり進むが、2〜8%は急速に進む、これは体の感受性(なり易さ)の違いだろう。
B歯茎の骨の痩せる(無くなる)スピード
健康な方 : 0.04mm/年
歯周炎のある方 : 0.12mm/年 で3倍速いスピードで歯茎の骨が無くなる。
C(26年間で)歯肉炎がある方は、無い方比べ37倍多く歯を失った。
D歯周病の治療で抗生剤(化膿止め)の使用は長期的には意味がなかった。
E重篤な歯周病は、男性より女性の方が1.5倍なり易い。
Fイエテボリ大学では縁下歯石を除去する時は麻酔をおこなう(※C)。
G治療後の継続管理(メインテナンス、SPT、フォローアップ)をおこなわないと歯周病は再発する傾向になる(※D)。
Hインプラント周囲炎に対する治療の成功率はインプラントの表面性状で差が出る(※E)。
Iインプラントを、抜歯と同時におこなっても(※F)、歯茎の骨の痩せる量は変わらない。
J歯周病治療をおこなったあとの天然の歯とインプラントを支える歯茎の骨の変化は同じ傾向をしめした(※G)。
※@:イエテボリ大学:歯周病の研究分野で世界的に有名。歯周病治療の本家本元。
※A:「エビデンスにもとづく治療」などと表現されることがあります。
※B:結局ここの部分が大切になる。あとはそれができるかどうか。
※C:通常の注射の麻酔です。
※D:やりっぱなしは危険(再発のもと)。
※E:年代、メーカーにより違う。
※F:「抜歯即時埋入」という。適応症の見極めが大切になる。
※G:インプラントの治療前に歯周病の治療を終了させておくことが重要。
歯周病とインプラントの治療の原理原則で多くの部分は昔から変わらないですが、新しくわかってきたこともあるということです..
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