
【2017年7月2日(日)の読売新聞様の記事より引用させていただきました】
歯科用切削機器(専門的には、タービンヘッド、ハンドピース、といいます)関連の続報(2014年から)の記事を見つけました。
下はその歯科用切削機器(歯科用切削機械、タービンヘッド、ハンドピース)です。

内容を簡単にまとめると
・歯を削る機器の先の部分は唾液や血液に触れる部分になるため、使い回せば次患者さんに細菌やウィルスが感染(移す)リスク(可能性)がでる(アルコールで拭くだけでは不十分)。
・患者さん毎に交換している歯科医院は
2012年は31% ⇒ 2017年は52% となり患者様ごとに交換する歯科診療所が増えた。
との内容になります。
5年間の間に「毎回交換が 3件に1件 ⇒ 2件に1件」となったとの結果になるわけですが、これが多いのか少ないのかは意見が分かれるところだと思います。
(米国では毎回交換が義務付けされてますが、日本はそうではないのが現状です。例えば外科手術で一回使用したメスなどを消毒薬で拭いて⇒次の患者さんに使用するのはあり得ないですよね)
本来は100%のクリニックでの実現が理想なのですが、実際おこなうにはハードルが高く、それに伴うコスト(※)はすべてクリニックの持ち出しになります(治療費には反映されていない事実)。
行政が健康保険の制度自体の改善をしてくれないと「やりたくてもできない」ところが多いのが現状だと思います。
そのハードルが高い理由は..
・機器が高価
切削機器(タービンヘッド、ハンドピース)が高価であるため。
1機器あたりの定価:9〜16万円(メーカー、性能により違います)× 本数分(治療用イス、ユニットの数×2倍 の本数は最低必要、修理等も考慮)が必要(診療用イスが2台であれば最低4本は欲しい、ギリギリですが)。
・維持の工程が増える
実際は「本数そろえるだけでOK」ではなく、機械(高速回転するのでデリケート)なので@「洗浄」A「滅菌」B「注油」C「空吹かし」の各工程を毎回おこなう必要があるため「滅菌」だけでは実は不十分である(全自動の機械でおこなう or 人の手で注油+空吹かし,が必要。しないと短期間に壊れます)。
・実は他の器材も同様である
切削機器だけでなく、「超音波スケーラー(歯石をとる機器)」「コントラ(歯を磨く機器)」なども同様の本数が必要になる。
・マンパワーの負担増
スタッフの負担が増える、もしくは人員を増やす必要がでてくる。
・人数を多く診れない
大勢の人数を治療するには適さない診療システムになる(1日に治療できる人数が限られる)。
以上が挙げられます。どちらにしても言えることは
毎回交換しているところは
「医療として妥協できない点なので、採算が合わなくてもおこなっている」
というクリニックということです。
※大まかに見積もってもイニシャルコストは150〜200万円程度はかかる。
参考:下は実際の当院の歯科用切削機器(+歯石を取る機器and歯を磨く機器)の滅菌の方法になります(治療用のイスは旧機種)。
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◆HPはこちらから⇒東京で歯を削る道具を患者様ごとに交換している歯医者、歯科 | 大手町デンタルクリニック(大手町歯周病インプラントセンター併設)
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